研究・事例発表会① 第4会場 9:00-10:30 | 司会 武田重昭(大阪公立大学) | |
岡島直方(南九州大学)・尾崎二郎(別府不老町教会) | 新約聖書の視点からみる創世記の冒頭場面・エデンの園 | 旧約聖書に新約聖書の内容を重ね合わせてみると、旧約聖書単独で分かることとは異なることが見えてくると考えられる。その点から創世記の冒頭場面やエデンの園についてまとめる。天地創造の前提、アダムとは何か、エデンの園、アダムとイエスキリストとの関係などについて検討する。 |
呉 暁龍・中井 祐(東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻景観研究室) | 沖縄県における奥武山公園の成立とその都市史的意義に関する研究 | 本研究の目的は沖縄最初の近代公園「奥武山公園」の成立過程と都市史的意義を解明することである。明治期に発行された新聞と公文書を分析した結果、寄留商人の主導作用、明治期の計画内容、公共空間利用意識への影響が判明した。同時代本土公園との比較により、琉球松等の地域植生を活かした地域適応型計画思想を解明した。 |
上田裕文(北海道大学) | ヨーロッパの公園墓地再生事業にみる墓地空間の新たな可能性 | ヨーロッパでは近代化を通して墓地改革が進み、森林墓地や公園墓地が誕生した。現在主流となっている公園墓地も、近年の社会変化に対応して墓地再整備の動きが活発化している。ドイツのオールスドルフ墓地、デンマークのアシステンス墓地の事例を通して、住民参加で進められる墓地再整備計画づくりと実践の様子を紹介する。 |
水内佑輔(金沢大学)・中村和彦(東京大学) | 明治神宮の視覚的表象は森なのか | 神社の重要な景観要素として森がある。近年、OECMsの進展があり、環境政策の点からも神社とその森に注目が集まっている。そこで東京の明治神宮を事例として、写真投影法による現地調査を行い、森が視覚的表象であるかの検証を行った。 |
研究・事例発表会② 第5会場 9:00-10:30 | 司会 石井匡志(アゴラ造園) | |
矢作岳(千葉大学大学院園芸学研究院/風景芸術研究所) | 三次元点群データを活用した日本庭園植栽における動的空間特性の記譜 | 計測した点群データをもとに日本庭園の植栽空間を物体の有無で「色空間」と「空空間」に区分する。植栽の透かし変化と枝葉のゆらぎにおける視距離の効果を計算し、「空空間」に記譜を試みる。そして、空間体験における感覚効果の記譜の可能性や歴史的庭園の保存継承への応用可能性、空間デザインへの波及効果を考察する。 |
萩谷知也・中尾信行(公益財団法人 東京都公園協会) | 樹木点検アプリの導入と拡張 -公園維持管理業務のDX化の試み- | 東京都公園協会では、公園樹木の安全管理の仕組みとして、樹木医による樹木診断の前段階として「樹木点検」という制度を採用しているが、作業の非効率性が課題となっていた。それを改善するため、2024年度より、新たに「樹木点検アプリ」の運用を開始した。ここでは、アプリの導入とその効果、拡張について紹介する。 |
鄭芯蕊・雨宮護(筑波大学) | 位置情報を伴うボランティア街路写真データ(VSVI)を用いた公園利用実態の把握可能性 | 公園利用の実態把握のためには従来アンケート調査や行動観察調査が用いられてきたが、より安価で簡便な方法が必要である。そこで本研究では、位置情報を伴うクラウドソース型のボランティア街路写真データ(VSVI)を用いて、公園の来園者数、利用の時空間分布、および移動経路特性をどの程度推定できるかを検証した。その結果、特に投稿量が多い公園でのVSVIによる推定の有効性が示された。 |
研究・事例発表会③ 第4会場 10:40-12:10 | 司会 石川啓貴(国土交通省) | |
福田昌代(大分大学)・高野健人(福山市立大学)・秋田典子(千葉大学) | 災害多発地域における文化的景観の保全に関する研究 | 文化的景観「小鹿田焼の里」は日田市皿山地区の窯業集落である。河川が形成した狭隘な谷地に位置することから、2017年7月九州北部豪雨等により度重なる被災を受けてきた。災害多発地域における文化的景観の保全手法に示唆を得るため、災害履歴や作陶過程における土・水・木といったローカルな資源管理の実態を明らかにする。 |
呉姝玥(東京大学大学院・新領域創成科学研究科)、劉銘(國學院大学・観光まちづくり学部)、中村和彦(東京大学大学院・新領域創成科学研究科) | 民話・伝承に基づく人吉球磨地域における感性的自然認識に関する研究 | 本研究では、人吉球磨地域に伝わる妖怪の性格と地域環境との関係を整理し、地域資料館に収蔵された民話・伝承の内容をもとに、地域住民の感性的自然認識の変遷を分析した。さらに、自然観光地における環境課題の解決に資するフレームワーク構築の可能性について考察した。 |
武正憲・濱泰一(東洋大学)・宮本万理子(SOMPOインスティチュート・プラス、中央大学) | 世界自然遺産小笠原における観光ガイドの認定制度に対する認識 | オーバーツーリズム対策の一つとして、観光ガイド同伴による利用者制限があるが、観光ガイドへの便益がない制度は持続しない。本研究では、一部地域で認定ガイドの同行が義務付けられている世界自然遺産小笠原を事例に、観光ガイドへのアンケート調査によって明らかになった制度による便益やその課題について報告する。 |
汪 慧心・古谷 勝則(千葉大学) | 計画的行動理論に基づく国立公園関係地域の若者の観光業就業意向の分析 | 国立公園は自然保護の要所であり、地域経済にも貢献しているが、人口減少により若者の流出が懸念されている。本研究では、国立公園周辺に住む若者を対象にアンケート調査を行い、計画的行動理論を用いて観光業に従事する意欲とその要因を分析した。今後地域の持続可能な発展への示唆を提供することを目的とする。 |
水川裕紀子(九州大学) | 日本の竹林管理活動の実態に関する研究ー活動特性に着目した類型化ー | 本研究は、日本の竹林管理活動の実態を明らかにし、活動特性に基づく類型化を行うことを目的とする。林野庁の非公開データを用い、全国213の竹林管理団体の活動特性を、①地域外主体・小規模活動型をはじめとする5類型に分類し、それらと農業地域類型との関係から地域特性に応じた各管理活動の特徴と課題を明らかにした。 |
塚田伸也(兵庫県立大学)・常見龍之介(石勝エクステリア)・森田哲夫(前橋工科大学) | 太田市金山の植樹計画策定に向けた地域連携活動とその評価 | 市民の憩いの場として親しまれている金山(群馬県太田市)は、マツ枯れやナラ枯れの被害が確認されている。本研究は、まず、産官学(地域企業、自治体、大学)の体制により調査、ワークショップを実施し、植樹・施設計画案を立案した地域連携活動の経緯を整理する。次に地域連携活動による計画策定の評価について報告する。 |
研究・事例発表会④ 第5会場 10:40-12:10 | 司会 西山秀俊(グラック) | |
寺田徹(東京大学大学院新領域創成科学研究科) | 大都市郊外の中小都市再生に向けた「サーキュラータウン」の提案とその意義 | 東京大学・竹中工務店の社会連携講座(2022~2024年度)において構想された「サーキュラータウン」の考え方を紹介する。同構想は大都市郊外中小都市の再生ビジョンとして50ページ程度の「ガイドブック」にまとめられており、本発表ではその紹介と、ビジョン策定の意義や今後の展開について議論する。 |
後藤樹乃(株式会社フジヤマ)・町田怜子・竹内康・入江彰昭・茂木もも子(東京農業大学) | 静岡県富士市の再開発事業とウォーカブル事業における住民組織の参画と変遷 | 本研究は静岡県富士市を対象に、住民組織の参画からみる再開発事業とウォーカブル事業の変遷を明らかにすることを目的とした。まず、日本における両事業の現状を把握した。次に住民組織の参画に着目し、富士市における再開発事業とウォーカブル事業の変遷を戦略性・協働性・空間性の観点から分析し明らかにした。 |
嶽山洋志(兵庫県立大学大学院) | 米国のSchoolyard Park ProjectとEdible Schoolyard Projectにみる校庭改善の新たな方向性 | 米国の「Schoolyard Park Project」と「Edible Schoolyard Project」を事例に、その空間デザインや教育プログラム、コミュニティの関わり方などを把握、今後の校庭改善や校庭を活用したプログラムの新たな方向性に関する知見を得るべく、Bay Area Park DevelopmentやEdible Schoolyard NOLAなどにヒアリングを実施した。 |
都田徹(株式会社景観設計・東京)・小林紘一(Kobayashi Design)・塚本惣一郎(株式会社塚本惣一郎アーシテクト・ドゥ・ペイザージュ) | 大阪北摂みどりと庭園回廊構想とその実現化方策:令和の龍門瀑 | 本回廊構想は、大阪府茨木市域、安威川上流の竜王山から、大阪湾の夢洲を繋ぎ、既存の公園・緑地・庭園・文化施設などのネットワークを試みる回廊です。この取り組みにより、日本庭園などの緑地空間への関心を深め、観光、日本文化の継承、地域経済の活性化、自然環境の保全、さらに地域コミュニティの活性化を目指します。 |
塚本惣一郎(株式会社塚本惣一郎アーシテクト・ドゥ・ペイザージュ)・小林紘一(Kobayashi Design)・都田徹(株式会社景観設計・東京) | アクションプラン:大阪北摂みどりと庭園回廊構想作成への探求 | アクションプラン:大阪北摂みどりと庭園回廊構想作成への探求 筆頭著者:塚本惣一郎 、共同著者:小林紘一、都田徹 本回廊構想は、大阪の北部北摂山系を背景に大阪中心部と連続する庭園群である。この庭園群はこの地域に完結せずに、都市構造として大阪市内でネットワークを作っていくことが緑地とどのように連続して展開すべきか、将来の緑地ネットワークとの連携も含め、具体的に京都市・芦屋市・ダーウインの事例で分析提案する。 |